青点滅に出てくれてる小松春菜さんが出演する舞台です。
『三日月ジュリエットに紙の船』
タイトルからはどんな公演か想像つかないですね。青点滅も『HIRAKINAORI』とか『ばれてるばれてる』とか『勇敢な台無し』とか意味不明ですので、他人のことは言えませんが。でも、フライヤーのイラストが可愛いらしく、おぼろげながら世界観は伝わります。
さて。
この『三日月ジュリエットに紙の船』。フライヤーには信州のイラストレーター、ながはり朱美さんが関わっており、そのほか、映像作家さんや作曲家さん、舞台美術にもろもろ専門スタッフ、出演者だってたくさんいます。市民演劇としては、そこそこ大勢の方が関わっている公演だと思われます。もちろん、みんなボランティアじゃないと思うので、お金も支払われているのでしょう。
3都市で5ステージ。各会場の利用費もあるでしょうし、大人2000円のチケット代でペイできるのかというと、どうなんだろう……? ギャランティーの設定までは把握できないので何ともいえませんが、僕が勝手に想定するギャランティー額で計算したら、満席になっても赤字ですね。恐らく。
ここで大事なのは、この公演の企画・主催が東御市文化会館だということ。東御市文化会館は、NPO法人Js文化フォーラムが指定管理者として運営している公共ホールです。
2017年度の報告書を見ると、指定管理料は約6,700万円。それだけでなく「自主文化事業」として約800万円の収入があったようです。けれども、「自主文化事業」には事業費として約1,600万円が費やされています。つまり、「自主文化事業」を単体で見ると大幅な赤字が生まれていると推計されます。
あくまで僕が勝手に想像するだけですが、js文化フォーラムには東御市文化会館を通じて発信したい文化・芸術があって、そのために、上手く予算の中でやりくりしながら「自主文化事業」を行っているのだと思います。
なので、逆に言うと、チケット代だけでそこそこ大掛かりな公演を行うことは難しく、なんらかの形で税金が必要になっているのが実情。本当は演出家や脚本家、出演者のネームバリューで興業が成立すれば良いんでしょうけど、そうなると「有名人」が必要となり、市民演劇というものの根底が崩れる。難しい。
クラウドファウンディング(CF)でお金を募る方法もあるけど、それにしたって、公演に対する期待感がなければお金が集まらないわけで。そもそもチケットを勝手に主催が設定して売ってるんだから、それで何とかしろよっていう話でもある。
……という諸々のお金問題。
実際のところ、「趣味でやってる市民演劇なんだからギャラなんて要らない。お金のためにやってるわけじゃない」という人もいます。でも、釣りやゴルフの趣味とは違うんです。大衆に成果物を披露するわけだから、お客さん側からしたら舞台に立ってる人間が「趣味」だろうが、「仕事」だろうが知ったこっちゃない。面白いと思って帰るか、しょうもなかったと思って帰るかだけの問題です。なので、面白いものを作るためには対価こそが責任の源!であるハズです。
だから青点滅では関わってくれる人にキチンと対価を払いたい。そのためには、税金でも協賛費でもいいからお金をかき集めてこなきゃいけない。僕は、そういうプロデューサーとしての能力が著しく低いです。
ちなみに、青点滅は脚本&演出(ワカバヤシ)のギャラは0円。フライヤーデザイン費(ワカバヤシがやってる)も0円。出演者にはいちおうギャラという形でお金を払ってますが、練習日の交通費で相殺されるような金額です。音響照明はワカバヤシがやることで負担0でおさえてきましたが、次回はワカバヤシが出演する予定なので、さすがにスタッフフィーもかかります。アァ。
もともとは、僕が「コントの脚本を書きたい」と思って始めたんですが、それ以外の部分が大変すぎて嫌になってきます。こんな文章を書いたところで何も解決しない。あぁ、がんばろう……。