コントユニット青点滅の日誌

青点滅の主催、ワカバヤシが書くブログです

舞台を仕上げるまでの「工程管理」って大事だなと思ったときは本番3日前だった

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とにかく工程管理が苦手です。自分ひとりのスケジュールを組むことはわりと得意なのですが、様々なセクションに対してそれぞれの工程を管理していくのが苦手です。(工事の現場監督とかできないと思う)

舞台も「工程管理」ってすごく大事。

いつまでに脚本を固める。ココまでに全員、脚本を頭に入れてくる。そういう工程管理をなるべく細かくやっていく必要があります。だめですね、そういうの怠けてぜんぶ「ザ・感覚」でやっている。


青点滅の「脚本」の話をしますね。


僕の脚本は、練習しながらめちゃくちゃ変わっていきます。本番を迎える頃には、初稿の面影なんて跡形もないことが多いです。コントの脚本はそういうもんだ、と思ってきたから別に気にはしてないつもりだったのですが、やはり戸惑う人もいるだろうし、こんなんで良いのかなと思うこともしばしば。

となると。

「どうせワカバヤシの脚本はコロコロ変わるから固まるまで覚えない」という考えの人が出てきてもおかしくありません(青点滅にそれを口にする人は、今のところいませんが)。

ですが。脚本演出の立場として言わせてもらうと、「演者がセリフを覚えた状態での演技」と「演者が台本片手にやってる演技」はやっぱり違うわけで。台本片手にやってた時には気付けなかったことも当然あるわけです(あぁ……こんな感じになるなら、セリフも変えよう。とか、そういう風に)。

ただ、そうは言っても「覚える」という労力も大変なものだと思うので、脚本が固まるまで覚えないという気持ちもすごくわかる。僕なら、ぜったいに覚えらないし。


昔、僕がまだ放送作家をやっていた頃。事務所(お笑い事務所Wです)のライブで、芸人さん7人くらいがお芝居風のコントをするというコーナーがありました。尺は25分くらいだったと思うのでそれなりのセリフ量。2回目の稽古の時に、脚本の練り直しを7人みんなでやり始めたのですが、みんな好き好きにあーだこーだ言い出す始末。そんな時、「つべこべ言わず覚えよう!」と口火を切ったのがWエンジンのえとうさんでした。いったん全部覚えてからそれをベースに脚本を変えていこうという意見です。

結果、覚えてしまったほうが見えてくることが多いのか、すごく仕上がりが早かったように思えました。時と場合と人と内容によるとは思いますが、やっぱり「最初にセリフを頭に入れる」というのは、仕上がりには近道のような気もします。いや、ほんとに時と場合と人と内容によるのだけれども。


さて。セリフを覚えてから脚本を変える。脚本を固めてからセリフを覚える。どちらが良いとか悪いとかの話ではなく、これもやはり「工程管理」をしていけば解決する気がします。

いつまでに初稿の脚本を覚える。それに対しての演技指導はいつからいつまでやる。それを受けて脚本の見直し期間はいつからいつまで。という具合に。

きっとプロの演劇集団は当たり前のようにやっているのでしょう。公演の本番を成功させるために何をどう、どのタイミングで動けば良いのかを明確にしてメンバーで共有する。あぁ、苦手。