コントユニット青点滅の日誌

青点滅の主催、ワカバヤシが書くブログです

第3回単独公演「勇敢な台無し」はこんなお話です

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カバヤシです。

ずっと、お笑い芸人さんの単独ライブにしか関わったことがなかったので、フライヤーや告知の中で、「今回の公演はこんなコントをやります」とインフォメーションする習慣がありませんでした。お笑い芸人さんの単独ライブは、その芸人さんの「名前」でお客さんを集めています。決して、ストーリーでお客さんを呼び込んでいるわけじゃない。むしろネタバレしないことが正義だった。

しかし。

青点滅は、その名前だけでお客さんを呼べるわけもなく、どんなコントをやるのか事前にわからなければ怖くてチケットを買えるわけがないと、思う人も多いはず。

ということで。

今回お送りするコント7本の内容を少しじっくり目に書いていこうと思います。事前に情報を入れたくない人は、どうぞブラウザを閉じてください。



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公演に遊び心を埋め込む

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青点滅単独公演『勇敢な台無し』、ばっちりとチケットが余っております。この文章を書いてる時点で残り92枚。捌けるんでしょうか。

 

半分以上もチケットが残ってる状態ですが、夜な夜な、公演に向けての作業をしていました。

 

それは『遊び心』を埋め込む作業。

 

第1回単独公演のときは、コント中のセリフの中に出てきた架空のアイテムを実際に制作し、こっそりと会場内に展示していました。第2回単独公演のときは、登場するキャラクターが「ホームページも見てください」と言うシーンがあったので、本当にホームページを作っておきました

 

そんな遊び心を埋め込むのが僕は好きです。たとえ気づいてくれるのが数人であっても『わっ』って思ってもらえたら嬉しいので、少しお金と手間がかかってもやってます。その辺に青点滅らしさみたいなのが見いだせるといいな。

 

いままでは、ある程度チケットの目処がたってから『遊び心制作』を始めていたのですが、今回はまだまだチケットが余ってる段階で作りはじめてみました。かなり綿密に作ってます。

 

もし当日、会場に来られる方はその辺も楽しんでください。

 

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2019年9月23日(月祝)
『勇敢な台無し』
①10:30~ ②14:00〜 ③17:30〜

前売2000円 当日2500円
(高校生以下半額)

▼詳細とチケット予約▼
https://www.aotenmetsu.com/yuukannadainashi.html

 

青点滅が演劇人と言われてしまうのは恐縮です……っていうか否定しようと思います

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日本劇作家協会が主催のイベントが上田で開かれるそうです。

「まち」「まなび」「つながり」を三本の柱にして開催する上田大会。メイン会場をサントミューゼを中心に、上田の街なかにある「犀の角」や「上田映劇」などのサテライト会場を加え、フォーラムやワークショップ、講演、上演企画などを展開していきます。街と劇場や様々な場所に、全国の劇作家、長野の演劇人、上田市民、全国の演劇に関心を持つ人々が集います。

jpac2019-ueda.org

 

劇作家協会と言えば、青点滅のコントにも出てもらっている黒岩力也さん。黒岩さんは、かつてカナリア』という作品で第9回劇作家協会新人戯曲賞を受賞しています。それ以来、劇作家協会に加盟しているそうです。

なので、劇作家大会は、青点滅にとっても、そう遠くない世界です。


ですが。


青点滅の主催、ワカバヤシとしては、どうしても「演劇」というカテゴリに違和感を感じてしまいます。「演劇」って何だろう。

もちろん、青点滅を説明する際、便宜上「コント演劇」と称することはあります。でも、演劇人だとか、演劇界とか、そういうものと青点滅ってどうも結びつかないのです。(結びつけたくないという気持ちもある)


正直なところ、上田市で開催される劇作家大会よりもキングオブコント2019の準々決勝の方が気になるし、ラバーガールさんはどんなネタやるんだろうとか、コロチキは優勝後の挑戦ということでどんな気持ちなんだろうとか、ダークホースは誰がいるんだろうとか、そういうことの方が僕自身の気持ちがワクワクします。

今までと違う価値観を見せて圧倒的準優勝に輝いた「にゃんこスター」とかね、そういうの出てくると血走るんです。2018年で言えば、チョコプラの失速があったとはいえ、ハナコの岡部くんの演技とか、もう心が奪われる思いだったんですよ。


そう、青点滅の根っこはやっぱり「お笑い」なんです。コメディ演劇というジャンルもあるよとか、コメディ要素をふんだんに取り入れている演劇もいっぱいあるよとか、そういう意見もあるんでしょうけれど。いわゆる「演劇」って、メッセージ性とか哲学じみたものを落としどころにしがちです。そこが僕としては乗り切れない部分。三谷幸喜さんの脚本はとても面白いし、笑う部分も多々ありますが、最後はいい話として結ばれているので、コントって言えるかというとそうではないと思う。

すべての要素をそぎ落とし、笑わせることだけに集約させた「コント」。お笑い芸人さんが作る「コント」に強い憧れがあるので、青点滅もそうありたいと思います。


別にコントだろうが、演劇だろうが、そんな定義にこだわらなくてもいいじゃないかと思われそうですが、演劇の人たちって、「演劇ネットワーク」を作りたがっているのかなぁと感じることが最近ありまして。なんとなく、そういった「演劇ネットワーク(電撃ネットワークみたいだ)」からは外れた存在でありたいなと思いました。むしろ、その方がブランディングできるんじゃないかと。


あの時僕は『漫才』が上手くなりたかった

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僕は、過去に少しだけ漫才をやっていたことがあります。大阪にワッハ上方という施設があって、そこで開催される「超がつくほど若手のお笑いライブ」に出ておりました。

 

もちろんそこに出ていた芸人たちは、基本的には「売れる」ことを目指してやっているわけですが、9割以上の芸人が既にお笑い界から去っています。

 

僕も去った人の一人。

 

とは言え、もともと、僕はテレビ等で売れたいからライブに出ていたというよりも、なんか楽しそうだからという理由だけで舞台に出ていました。正直、お笑い界の厳しさもわかっていたつもりだったので、売れるなんてムリだろうと。

 

当時、そのライブで知り合った人とコンビを組むことになり、漫才をやっていました。その相方は「プロにならなくていい。面白いことがしたい」という人で、なんとなく舞台に臨む姿勢が合致していたのでやり易かったです。

 

でも、そんな気持ちもどこへやら。

 

素人ながらお笑い活動を続けていると、『プロ』の世界に惹かれていきます。話し合ったわけじゃないけど、相方も同じようなことを思ってたんだと思います(のちに彼は吉本の所属芸人になり、今も続けているので)。

 

『プロ』という世界を意識したとき、圧倒的に自分の芸人スキルが乏しいことを再認識しまして、僕は表舞台ではなく裏方として『プロ』を目指そうと思ったのです。東京に行って放送作家の道を目指すことにしました。

 

結果として、圧倒的に裏方の方が合っていたので、その決断は間違ってなかったんだと思います。あの時、何かの間違いでお笑い芸人を続けていたらと思うと、ゾッとします。

 

ただ。

 

当時の僕は、漫才が上手くなりたかった。でもなぜだか、漫才を続けることと、お笑いの世界をプロとして目指すことをごっちゃにして考えてしまい、あたかも自然と漫才をやめちゃいました

 

放送作家をやりながらでも、たしなみとして漫才をやることは出来ただろうし(相方がいたかはわからんけど)、漫才が上手くなりたいという気持ちを勝手に閉じちゃったのは勿体なかったなぁと思います。

 

草野球や、趣味でサッカーをやっている人と同じように、お笑いも趣味でやり続けていれば良かったかもしれない。漫才が上手い人ってカッコいいし、漫才で新しい概念を生み出す人ってカッコいい。

 

いまの青点滅は、プロやらアマやらそういう概念ではなく、面白いことがしたいと思っている人達が演じているので、とても、健康的でいいなぁと思います。

 

長野で演劇やってる人は「自分が良い表現をすること」を優先してる人多いよって聞いた。それは残念すぎる。

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結構、めんどうなことを書きますので、紛らわせるために北海道の「青い池」で撮った写真を載せておきました。キレイですよね。コロイドっていう粒子が入ってるから、太陽光に反射して青く見えるんですって。

  • 自分が良い表現をすること
  • より良いものを届けること


この二つは、正反対ではないけれど、どっちを舞台で優先するかによって、その人の姿勢や考え方が大きく異なります。

僕は完全にお笑い畑のことしかわからないので、「より良いものを届けること」を優先するのが当たり前だと思ってきました。語弊なきように言いますが、より良いものを届けるために、「自分が良い表現をする」というのは至極真っ当な考え方です。なんども言いますが、あくまで優先順位の話です。


恥ずかしいからあまり言いたくないのですが、青点滅の公演本番。僕は出演者に「みんなで笑い声を聞きましょう」と言ってます。

笑い声こそが合格点であって、当たり前ですが大爆笑を起こすために、わざわざ数ヶ月も練習して、本番に挑んでいるわけです。本番、まったくウケなかったコントがあると、凹みまくります。羞恥心で死にそうになります。出演者に対して、舞台上でスベらせてゴメンーー!という気持ちになります。

つまりは、お客さんの満足度が何よりの優先事項。より良いものを届けることが優先。それ以外に無いのです。誰に教わったわけでもないですが、お笑いをやり始めた頃からそれは変わっていません。



しかし。



長野で演劇をやってる人の中には「自分がいい表現をすること」を優先している人が結構いるよと、そんな話を最近聞きました。ナンジャソラ。そんなだったら、お客さん入れなきゃいいのに。

コメディ以外の演劇には「笑い声を聞く」という、明確なバロメーターがなく。「より良いものを届けよう」と思っても、その指針がないから自分の気持ちをコントロールしづらいのかな? そうなると確かに、「自分がいい表現をすること」が優先されるのも少し分かる気がする。(それでもお金払って来てもらってる目の前のお客さんよりも、自分を優先するのは意味がわかりませんが)


僕はいわゆる「演劇」というものを全く知らず、もうちょっと勉強した方が良いのかなと思っていたりもしましたが、いや待てよと。「自分がいい表現をすること」を優先しちゃうような人が演じてるなら、そんな演劇、観たくない。


長野松竹相生座で「劇団☆新感線」の公演が、「ゲキシネ」という形で上映されています。長野で演劇観るなら、「ゲキシネ」のような安心感あるやつしか観れなくなっちゃう。



と。そんなことを考えていると、もう一つの疑問が沸いてきます。



青点滅に出てもらっている人は「自分が良い表現をすること」と「より良いものを届けること」、どっちを優先しているんだろうか。今までそんなこと考えたことがなかったけれど、大事な問題だ。


青点滅のポロシャツができました

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青点滅のポロシャツを作りました。

コットン100%のブラック。サイズはS〜XLまであります。でも、在庫が16枚くらいしかないので早いもの勝ちになります。

主催のワカバヤシは嬉しくって早速着ております。

ご購入はオンラインで受け付けております。よろしければご検討ください。

conteaotenmetsu.stores.jp

在庫を抱えるって、とっても怖い。売れなかったらどーしようー。

やっぱり助成金かCFなのかな!?青点滅のプロデューサー能力、無さすぎ問題


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青点滅に出てくれてる小松春菜さんが出演する舞台です。

 

『三日月ジュリエットに紙の船』

 

タイトルからはどんな公演か想像つかないですね。青点滅も『HIRAKINAORI』とか『ばれてるばれてる』とか『勇敢な台無し』とか意味不明ですので、他人のことは言えませんが。でも、フライヤーのイラストが可愛いらしく、おぼろげながら世界観は伝わります。

 

さて。

 

この『三日月ジュリエットに紙の船』。フライヤーには信州のイラストレーター、ながはり朱美さんが関わっており、そのほか、映像作家さんや作曲家さん、舞台美術にもろもろ専門スタッフ、出演者だってたくさんいます。市民演劇としては、そこそこ大勢の方が関わっている公演だと思われます。もちろん、みんなボランティアじゃないと思うので、お金も支払われているのでしょう。

3都市で5ステージ。各会場の利用費もあるでしょうし、大人2000円のチケット代でペイできるのかというと、どうなんだろう……? ギャランティーの設定までは把握できないので何ともいえませんが、僕が勝手に想定するギャランティー額で計算したら、満席になっても赤字ですね。恐らく。

ここで大事なのは、この公演の企画・主催が東御市文化会館だということ。東御市文化会館は、NPO法人Js文化フォーラムが指定管理者として運営している公共ホールです。

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2017年度事業報告書より

2017年度の報告書を見ると、指定管理料は約6,700万円。それだけでなく「自主文化事業」として約800万円の収入があったようです。けれども、「自主文化事業」には事業費として約1,600万円が費やされています。つまり、「自主文化事業」を単体で見ると大幅な赤字が生まれていると推計されます。

あくまで僕が勝手に想像するだけですが、js文化フォーラムには東御市文化会館を通じて発信したい文化・芸術があって、そのために、上手く予算の中でやりくりしながら「自主文化事業」を行っているのだと思います。

なので、逆に言うと、チケット代だけでそこそこ大掛かりな公演を行うことは難しく、なんらかの形で税金が必要になっているのが実情。本当は演出家や脚本家、出演者のネームバリューで興業が成立すれば良いんでしょうけど、そうなると「有名人」が必要となり、市民演劇というものの根底が崩れる。難しい。

クラウドファウンディング(CF)でお金を募る方法もあるけど、それにしたって、公演に対する期待感がなければお金が集まらないわけで。そもそもチケットを勝手に主催が設定して売ってるんだから、それで何とかしろよっていう話でもある。

……という諸々のお金問題。

実際のところ、「趣味でやってる市民演劇なんだからギャラなんて要らない。お金のためにやってるわけじゃない」という人もいます。でも、釣りやゴルフの趣味とは違うんです。大衆に成果物を披露するわけだから、お客さん側からしたら舞台に立ってる人間が「趣味」だろうが、「仕事」だろうが知ったこっちゃない。面白いと思って帰るか、しょうもなかったと思って帰るかだけの問題です。なので、面白いものを作るためには対価こそが責任の源!であるハズです。

だから青点滅では関わってくれる人にキチンと対価を払いたい。そのためには、税金でも協賛費でもいいからお金をかき集めてこなきゃいけない。僕は、そういうプロデューサーとしての能力が著しく低いです。

 

ちなみに、青点滅は脚本&演出(ワカバヤシ)のギャラは0円。フライヤーデザイン費(ワカバヤシがやってる)も0円。出演者にはいちおうギャラという形でお金を払ってますが、練習日の交通費で相殺されるような金額です。音響照明はワカバヤシがやることで負担0でおさえてきましたが、次回はワカバヤシが出演する予定なので、さすがにスタッフフィーもかかります。アァ。

もともとは、僕が「コントの脚本を書きたい」と思って始めたんですが、それ以外の部分が大変すぎて嫌になってきます。こんな文章を書いたところで何も解決しない。あぁ、がんばろう……。